趣意書
一般社団法人淡路青年会議所
理事長 藤井 宏昌
一般社団法人淡路青年会議所は創立当初から「淡路はひとつ」を基本理念として掲げ、常に淡路島をひとつと捉え、問題提起や課題の解決を行ってまいりました。その中で長く取り組んできた「淡路島一市運動」を今年度はさらに推進する形で活動を行ってまいります。
平成の大合併の折、2005年に南あわじ市と淡路市が、2006年に洲本市が合併し淡路島三市体制となりましたが、合併後10年以上が経過し、当時と現在では淡路島が置かれている状況は大きく変わってきています。そのため各行政体だけでは解決しきれなかったことについて、行政区分を超え淡路島全体で取り組むという姿勢に変化し、淡路島総合観光戦略や地域公共交通網形成計画の策定等、淡路島をひとつの地域として内外での取り組みが増えてきている状況です。そのような中私たちは淡路島一市運動を昨年再始動し、淡路島の未来を創る議員連盟との懇談会、淡路島一市意識調査アンケート、そして淡路島一市フォーラム~未来への選択~を開催いたしました。広く島民の意識醸成を図るために行いましたが、結果として見えてきたものは、淡路島一市に向けての多くの賛同や実感を得られたものの、課題や問題提起など否定的な声もまだ色濃く残っているのも事実であり、議論が島民全体へ広がっていないことと、淡路島一市への関心という意味では、特に若い世代への周知ができておらず、啓発活動が不十分であると感じました。
だからこそ今年度においても淡路島一市運動の推進を行い、全島民が自らよりよいまちづくりについて積極的にそして、真剣に議論し合える場の創出が必要であると考えます。そのためには、広く島民の意見を抽出しながらも、運動の本質を理解していただくことが必要であります。また若い世代へも積極的にアプローチしていかなければなりません。結局のところ現状に不満はないから何もしないという現状が変わらなければ、淡路島も他の地域にもれず人口流出や少子高齢化による人口減少の一途をたどることになり、地域が消滅する可能性は十分にあると考えています。そのような未来を知らぬ間に選択してしまうような事態を未然に避け、希望的な思考を以って淡路島全体の未来を考え、選択できるような地域にならなければなりません。地域を変えていくためにはそこに住む人々の意識が変革することが重要です。自分たちが地域の自治を担うという強い意志を持つことは、未来について責任を持つことに繋がります。そして地域の住民が能動的に行動を起こすことができるように意識を変革していくことこそが私たちがしなければならないことであります。
そこで島民一人ひとりが課題や将来について考え、議論し、意思決定を行う土壌を形成するため、全世代の島民参加型の事業を開催し、島民主導でのまちづくりという気運を更に高めていくために、今年度淡路島一市運動推進事業として「2019全島タウンミーティング~皆で掲げよう、淡路はひとつ~」を実施いたします。つきましては、何卒その趣旨をご理解いただき、ご協力ご賛同賜りますようお願い申しあげます。