はじめに
「意志ある先にこそ道が拓ける」いつの時代も果敢に挑戦されてきた先輩諸兄の功績を辿るといつもこの言葉が思い浮かびます。我々は、先輩諸兄が切り拓いてきた道が今に結びついているのだということを決して忘れてはなりません。今こうして青年会議所活動を行えるのは、まぎれもなくこれまでの努力と血の滲むような運動や活動があったからこそであり、どんなに時代が変化しても常に変革を行う姿勢を崩すことなく、奉仕・修練・友情という三信条に支えられ築かれてきた歴史は我々の誇りであります。
我々の使命は「明るい豊かな社会」の実現であります。技術革新によって便利な社会になり、莫大な量の情報が飛び交っている現代においてもその実現のために変えてはならない姿勢は、何があろうとも強い意志を持ってひた向きに行動し続けることですが、その中で最も大切なことは、どのような意志を持って行動するかであります。その意志とは、現状に留まることなく常に本質は何かを追求し、率先して勇気ある行動をとることであります。それが未来を見据えた運動や活動に繋がるものであり、その結果一人でも多くの島民が現状に満足するだけではなく、10年20年先の未来について考え行動を起こしていければ必ず淡路島は素晴らしい島で有り続けることが出来るはずです。だからこそ我々が率先して地域の課題に向き合い、俯瞰的に物事を捉え、我々世代の感性を信じ、失敗を恐れずに自身の能力の限界に挑戦し、未来に向け確固たる意志のもとに行動し続けていくことで、淡路島をよりよい方向に導いていけるものと確信しております。
淡路島一市の推進加速
淡路JCの運動を代表する「淡路島一市運動」は、「淡路はひとつ」という我々の基本理念を地域の土壌に当てはめた運動であります。今年度は、この運動を更に推進していく必要があると考えます。何故ならば、地域間競争が激化しているこの時代においては、地域全体で戦略を立てて積極的に臨まなければ、いかに特色のある地域であろうとも特色のない他の地域と同様に埋没してしまう可能性があります。そうならないためには、現状に不満はないから今は何もしなくてよいという受け身で考えるのではなく、未来のために今何ができるかを考えなければなりません。だからこそ淡路島民が自らよりよいまちづくりとは何かについて積極的に、そして真剣に議論し合える当事者意識を持つ機会の創出と環境を整えることが急務であります。おりしも平成の大合併に三市という一つの結果を出したこの地域が、次の元号では新たな選択をし、よりよい地域になるものと信じて今行動を起こすことに全力を注ぎます。そうすることで島民一人ひとりが地域に対して責任を持ち、子どもたちに対しても素晴らしい淡路島の未来を語ることができ、延いてはより多くの誇りを持った島民への意識醸成に繋がり、未来の淡路島はどのようになって欲しいかという積極的な議論が生まれてくるでしょう。そこで淡路島一市の具体的な方向性について意見を交わしていくことで島民としての真の意識が芽生えるものと考えます。この運動が大きく広がり、円の中心から強い原動力が生まれ、地域が進化を遂げていく一年にしてまいります。
未来ある子ども達のために
世の中の変化は年々そのスピードが加速しています。新たな技術によって次々と便利なものが生み出され、すべてのものには対応しきれていない現状ではないでしょうか。今後更に情報技術が発展し、人間と人工知能(AI)とが共存していく「第四次産業革命」とも言われる時代に突入していく中、子どもたちが成長して行く過程でより強く求められるのは主体性であります。主体性を育む要素として最も重要なのは周囲の環境であると考えています。その環境とは住む環境はもとより、家族や周囲の大人達、そして地域から受ける影響がとても大きな割合を占めるはずです。単に便利な機械を使いこなすことだけで主体性は身につきません。『淡路島』には素晴らしい地域資源である歴史・伝統文化・気候風土があり、住環境も素晴らしく、周囲の人との関わりが今も残っています。しかし私たち大人は、これらの有難い資源や環境を一体どのくらい理解し、このことがどれほど大切であるかを子どもたちに伝えられているでしょうか。私は子どもたちにもっと地域の魅力を意識して育てていくべきだと考えています。何故ならば、子ども達が『淡路島』のいいところを理解しながら成長していくことで、感受性が豊かになり、地域への愛着が生まれ、心身ともに健やかに成長していくからです。そしてその姿に親や地域の大人も気付かされることがあるはずです。子どもの成長と地域の発展は互恵関係にあると考えます。私たち大人がしっかりと地域の魅力を知り、伝えていくことで、子どもたちの健やかな成長を共に導いていこうではありませんか。それが子どもたちの素晴らしい主体性を育む事に繋がるのです。
強い自己と組織
ひとはなぜこの世に生を受け存在するのか。この問いに対して明確に答えられる人は多くはないのではないでしょうか。私は幸せを追求し、楽しい人生を送るために生まれ、存在していると考えています。困難や苦悩はつきものですが、何事にも挑戦していくことが大事であると感じております。その上で一瞬一瞬を大切にし、人との関わりを重要視しております。しかしながら、自分がこれまで歩んできた人生を振り返り、真剣に自分自身に向き合う機会をつくることがほとんど出来ていないのが現状ではないでしょうか。改めて自分と向き合う時間を設け、何のために歩んでいくのかを明確にし、自己を確立する一年にしていきましょう。そのことがこれからの人生において、大きく作用していくと考えています。そして、自己を確立するのと同じく大切なことが組織としての意志です。強い組織には強いリーダーシップが必要であることは言うまでもありませんが、それと同様に重要なことがフォロアーシップであります。各々が責任と役割を自覚し、報連相は基より確連報の考え方を心掛けていくことであります。リーダー自らが計画段階からメンバーに歩み寄ることで各々が役割を自覚し、助け合いの心の下にあるべき姿を模索していくことで自発的な行動を生み、自律した強い組織運営ができるに違いありません。一年間という限られた時間だからこそ、本気で活動に取り組み、リーダーシップとフォロアーシップの両輪が円滑に稼働していく瞬間を共に分かち合いましょう。組織としてこの両輪が円滑に稼働していくこでより強い組織へと繋げていくことができると確信しています。
メンバーの拡大促進
まちづくりを掲げる団体だからこそ多くのメンバーが必要であります。しかし人口減少社会において、新入会員の自然増を望むことは難しい状況にあります。更にJCの入会時における平均年齢は上がり続けており、今や全国平均は35歳以上になっています。この流れには警鐘を鳴らさなければなりません。JCの醍醐味は理事経験をしてはじめて得られるものが多くあり、私自身も理事をさせていただいた初年度、地域貢献への意識は自分でも驚くほど変化し、その経験は一生の宝と言っても過言ではないほど自身の幅が大きく広がったと実感しております。だからこそ、今年度はさらに35才以下に重きを置き拡大活動を行ってまいります。そのためには、戦略を練り、若いメンバーを含めメンバー全員で強い意志のもと積極的且つ大胆に行っていかなければなりません。時代が変われどもふるさとに想いを馳せ行動したいと願う人材は確実に存在しています。一人でも多くの同志が集う魅力あふれる団体にするべく、多くの人と関わり合い、相手のために全力でぶつかり合ってまいりましょう。今ここで生む結果が今後の時代を動かす大きな力に繫がっていくと信じて。
むすびに
我々がJC活動を行う上で、基盤となる企業活動は常に活気に満ち溢れていなければなりません。時代の変化は避けて通ることはできませんが、時流を掴み如何にして変化に対応できるかが重要です。その上で青年会議所活動を通して更なる人脈の輪を広げ、様々な情報を収集し、これからの時代を強く生き抜く力を養いましょう。そして自分と向き合い、当たり前のことへの感謝を忘れず、40歳までという限られた今の時間を惜しまず本気で活動して参りましょう。その結果で生まれた自己の成長がこの青年会議所活動だけに留まることなく、家族や会社、また地域のためにフィードバックしていくことができるはずです。それが何よりの奉仕であると考えます。私たちは決して立ち止まることなく、前を向き、強い意志と行動力でこの刻にしか得ることのできない欠けがいのない財産を自らの手で掴んでまいりましょう。そして、ふるさと『淡路島』の未来を真剣に考え、我々の強い意志の先に正しい道が拓かれることを信じ、これまでの変革を止めることなくさらに進化させていくことは、地域の魅力があふれ真の力へと結びつけることになるのですから。
2019年度 基本方針
一、仮説と検証に重きを置き積極的な活動をしよう
一、「伝える工夫」より「伝わる工夫」を考えよう
一、人格の向上に努め信頼される人へと邁進しよう