一般社団法人淡路青年会議所
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理事長所信


 一般社団法人淡路青年会議所は「淡路はひとつ」の理念のもと、53年の歴史を刻み、明るい豊かな淡路島の実現に向けて活動してまいりました。先輩方の創ってこられた53年の歴史と伝統に感謝と敬意を払い、淡路JCメンバーであることへの自覚を今一度見出す必要があると強く感じます。時代が変われば環境も変わり、そして組織の風土が変わるのは必然ですが、それぞれの団体に個性があるように、淡路JCにも明確なアイデンティティがあり、この組織でしかできないことはもちろん、体験できないことが数多くあります。そういったことを決して失わないことを前提に、新しいチャレンジを行う必要があります。つまりそれは、受け継がれてきた高い志と新しい時代の発想とを融合させた前向きな変化そのものなのです。

 

 地域創生が叫ばれている昨今、国の政策として、地域住民のアイデンティティの再確認や地域のブランド化を図るために「日本遺産(Japan Heritage)」が創設されました。昨年、淡路島全体での取得を前提に、この淡路島が日本神話に基づく「はじまりの地」であるこということを中心テーマとし、島内三市関係団体のご理解とご協力のもと「淡路島日本遺産委員会」を設立することができました。まさしく、我々が設立当初から掲げている「淡路はひとつ」という想いを具現化させたものであります。今年度はその組織と心をひとつにし、日本遺産の取得へのあゆみをさらに強く推し進めて参る所存です。

 

 淡路島を支えているのは島民であり、未来の淡路島を担っていくのは淡路島に住む子どもたちです。その子どもたちに夢や希望を持たせることは成長期において大変重要なことですが、何より大切なのは、人として常識的に備えておくべき素養をしっかりと身に付けることだと考えます。本来、それは子どもたちが生きる日常の中のさまざまな人との関わり合いの中で培われるものであります。しかしながら、どれほどの人々がその大切さに気づき、どれほどの人々がそのような気持ちで子どもたちに接しているのか、疑問に感じる場面も多く存在します。多くの関わり合いの中で受けた恩を肌で感じ、思いやりと感謝の心を養うことで魅力あふれる人格が育まれるものと考えます。
 人から地域へ――― 親はもちろん、先生や友達、また地域の人々に助けられ、支えられていること。

 その事実を心で理解し、自分たちを育んでくれた地域に感謝の気持ちを覚えることが、きっと未来の淡路島を創っていく大きな第一歩となることでしょう。

 

 入会年度の浅いメンバーの割合が多くなった昨今、指導的立場にある人材の経験不足や認識の甘さにより、淡路JC本来の素晴らしさが隅々まで伝播していないという状況に直面することがあります。私は、これまでのJC活動において、豊かな個性を持ち、自信に満ち溢れた多くの先輩方に出会い、さまざまな指導を受けて成長することができました。いつの間にか心を動かされ「いつの日か、このような人になりたい!」という目標となって現在に至っています。先輩方から共通して見出だされたことは、自分たちのまちは自分たちでつくる、自らが成長することで地域を変える、という強い想いでした。この想いを持つためには、個々のプライドを懸け、決して臆することなく立ち塞がる大きな壁に挑戦し、しっかりと結果を残すことであると考えています。それが自分たちの誇り、そして自覚を伴う責任を持つことに繋がり、結果として地域を変えるのです。その上で、皆が同じ目的にベクトルを合わせることで、組織としてより強い力を発揮することができるのです。淡路島のことを本気で語り合い、価値観を共にがむしゃらに突き進んでいきましょう。

 

 JCメンバーが全国的に減少して久しくありますが、淡路JCも例外ではありません。ここ近年の成果により多数の新入会員が入会しましたが、卒業を迎えるメンバーの多い年度が続き、会員数は横ばいの状態です。また、入会3年未満のメンバーが過半を占めるなど、新たなる問題も浮上をしております。しかしながら、ここで歩みを止めてしまうと、また数年後にメンバーの減少が組織の存続を脅かすような大きな問題に発展するのは火を見るより明らかです。拡大において量をとるのか質をとるのかという議論もありますが、質を優先した拡大活動の大義などありません。量から質が生まれてくると考えるのが自然であり、それは「人は人で磨かれる」という台詞がすべてを物語っているものと考えます。ただ忘れてはいけないのは、拡大を行うメンバー自体が魅力あふれる人間であらねばならないという事です。我々が育まれた淡路島を本気で想い、一人ひとりがJayceeとして輝きを放つことでやっと、淡路島に住む仲間の心を動かすことができるのです。今こそ、メンバー全員で心をひとつに拡大活動を行い、より多くの仲間を募って参りましょう。

 

 目標を設定し、目的を明確にすることは、物事を成し遂げていく上で必要不可欠なことであり、これはJC活動においても例外ではありません。何処(目標)へ向かうのか明確に指し示すことは、ことのほか大切なことではありますが、行き先だけ伝えられても動けないし、モチベーションも上がりません。なにより、何のために(目的)其処へ行くのかという理由を明確にし、その方向へメンバー全員の意識を向ける必要があります。そして、掲げられた志が高ければ高いものであるほど大きな力が生まれるのは明白なことであります。

 志高き大義を淡路JCのメンバーと共有し「心ひとつ」にすることで、魅力にあふれ、どんな困難にも打ち勝てる組織になります。

 さぁ!勇気を持って一歩前に踏み出そうではありませんか!