所信
はじめに
奉仕の理想探求めつつ 祖国の進歩の力となりて 先駆け行かん我等の集い JCソングの一節ですが、本年もこれに恥じないよう社団法人淡路青年会議所は明るい豊かなまちづくりのため、未来永劫この地において存在意義を示していけるよう47年目の歩みを進めて参ります。
私たちの取り巻く環境は、世界を見渡すとここ数年、経済成長率が芳しくない先進国を尻目に、中国を始めとする高度成長を続けているBRICsに代表される新興大国等々が群雄割拠して価値観が多様化し、且つそれぞれの国益が渦巻く複雑な情勢にあります。国内ではもの、ひと、経済、その他すべてにおいて東京一極集中の状況であり、そして、その他の地域は画一的なまちづくりが進められ全国どこでも同じようなまちとなっています。その要員は日本の「中央集権型システム」にあります。戦後、日本を世界の経済大国に押し上げたのもこのシステムですが、現在では日本を戦後最大の危機に陥れていると言っても過言ではありません。地域の個性を活かし、特徴のある地域を創り出し、ひとがみんな明るくて、豊かな日本そして淡路島を構築しなければなりません。こういった状況下で我々は地域の未来を見据え、今如何に考え行動できるかが、我々の存在意義を示すことにつながると考えます。
淡路Jayceeの志 −今だからこそ大きな視野で−
“明るい豊かな淡路島”とはどんなまちですかと問われた時、皆さんは答えられますか。私は今の時代だからこそ社団法人淡路青年会議所は次世代につなぐ、まちのあり方をきっちりと描き、それに向かって地域を牽引することで存在意義を示して参りたいと考えています。自分のことだけでなく、みんなのことを。ひとつのこと、また限られたことばかり考えるような足元だけを見て視野を狭めるのではなく、10年後、20年後の淡路島をどうしたいか、どうあることが明るい豊かな島となることなのかをメンバー一人ひとりが語り合うことで全員の共通した“意思”を持ちたいと考えています。それが達成した時には我々にも、みんなにとっても幸せな島となっているはずです。
しかし、それこそこの島のことだけを考えていては淡路島が“明るい豊かなまち”には成り得ません。現状のままでいくとどうなるかは皆様の想像に難くないと思いますが、我々の武器と弱点を見出すことは容易いと考えます。一方、ただ夢物語をメンバーで語っていても仕方ありません。これからの時代の流れは、これまで日本を支えてきた中央集権システムから地方分権へと変わってきます。その中でどういった形の道州制になるのかという議論もありますが、私は地域主権型でないといけないと考えています。その大きな流れの中で、時を待っているのではなく、我々が攻めていくくらいの気概をもって地方が如何に自立し、そして我々の地域がどういった役割を担う地域なのかというのが目指すまちづくりの形になるのではと考えます。きちんと世界の、日本の動きも踏まえながら我々の地域がどうあるべきなのか、どうあることが目指す島となるのかを淡路Jayceeが考え、メンバーの心に刻みたいと考えます。
我々の志をもって描く未来のあるべき淡路島と淡路JCの46年間の守るべき伝統が、これからの我々の行動指針というべき淡路JC-Standardとなるのです。
今だからこそ、未来のまちを創造できるチャンスであり、そしてまた、やるべきときなのです。
地域の明日を築く −未来のあるべき“まち”を目指して行動しよう−
「英知と勇気と情熱を」これは青年会議所メンバーなら誰しも綱領として唱和できるものです。このことは如何なることがあっても忘れてはいけません。このことが我々の“行動”の源なのですから。
昨年は、市民の意思を示すことが世の中を変える、変えていく基本であることを訴え、投票率日本一の島を目指しました。 本年はいよいよ、それを実践する年となります。市民一人ひとりが地域の明日を選択する、創り上げていくという意思をもって投票に行っていただきたいと思います。結果、世の中が変わっていく、変えていけると実感していただけるよう我々が中心となって活動して参ります。
そこからがもっと重要であって、淡路JC-Standardが゙必要となってきます。我々の目指すべき淡路島創造には先駆け的発想が不可欠です。先駆けであるということは、私は次代に求められること、流れがどういったことになるかということを想定できる力であると思っています。しかし、それは島民が思うこととかけ離れたものとなることはありません。なぜなら我々は誰よりも自分達の島を誇りに思って活動している淡路JCのメンバーなわけですから。精一杯、淡路島のことを創造しましょう。
これからの地域は国から支配されることなく、我々の立場から言えば国に依存することなく、自由で独創的でなければならないと考えます。しかし、自由であることは、甘えがきかないことでもあります。また、地域にそういうまちづくりのチャンスがあることは、競争もあるということです。
社会のルールやマナーを重んじ、自分(我々)で出来ることは自分(我々)で行い、自分(我々)の行動には自分(我々)で責任をとるようなまちづくりがこれからは求められてきます。
我々が掲げたビジョン実現に向けて、これまで以上に内外ともに関わる機会を積極的にもち、自分(我々)の“意思(存在力)”を示してまいりたいと考えます。この地域にもたくさんの組織、団体、また力があります。それらを活かすネットワークを構築し、ともに次代のまちづくりを本気にやっていく時期ではないでしょうか。今しかありません。本当の行動が必要なのは。市民が意思を示すことが世の中を変えられる。また、創り上げていくことにつながるという変革の一歩を日本、そして世界に向いて新たな祖国(くに)づくりのあり方として、くにうみ神話の地この淡路島から再び発信していきます。
「淡路の未来」を育成する
まちの魅力とは一体なんでしょうか。私は“ひと”であると考えています。これをつないでいくことが重要であります。それもひとからひとへと。日本、そして淡路に住む子どもたちを取り巻く環境は今、どういったものでしょう。無責任、社会性の欠如、他者への無関心、自己信頼感の希薄さ、これら子どもについて言われる要因は、屋内自己完結型生活、そして少子化による上下関係の育成の場が失われていることなどで、子ども同士の関わりの機会が少なくなっていることが挙げられます。子どもたちの世代間(高校生・中学生・小学生)の関わりにより、責任、社会性、他者の尊重、自己信頼感を実践的に築く機会を設けたいと考えます。ひととの関わりの中で培ったものは決して消えることはありません。
この淡路島の中で育ったひとの感受性により、数多くの魅力が生まれ、継承していくことが、また新たな魅力を創造し、未来永劫続いていくものと信じています。
サンテグ・ジュベリは言っています「本当に大切なものはね。目では見えないんだよ。心で探さないとね。」この機会の再構築こそ、今、大人社会としても問われているのではないでしょうか。子どもたちにこの大切さを伝えることが「淡路の未来」を育成することに必ずやつながります。
最後に
今の経済、社会情勢において、青年会議所でのチャンレンジはし難い環境ではあります。しかし、先でも述べたように今とだけ戦っていても活路は見出せません。今だからこそ、先を見据えてきちっと一歩を踏み出していきましょう。必ずや新しい仲間、市民にも想いは届き、そして我々に明るい豊かな淡路島が手元に手繰り寄せられることでしょう。この時代に、この地域に同世代の仲間として存在しているわけですから、力を結集しないわけにはいきません。互いが信頼し、みんながこの状況から逃げることなく、役割と責任を果たすことで“みんなが楽しい”活動、運動となり、さらに次への活力にもつながっていきます。
我々が活動を続けている理由は、恐らく、走るたびに新しい発見があるからだと思います。苦しめば苦しむほどに、前向きに捉えれば捉えるほどに新しいものが見えてきます。しかも、新しいチャレンジにはまた別の発見があります。その魅力が我々淡路Jayceeをやる気にさせてくれるのです。
基本方針
- 一、自分達(我々)の“意思(存在力)”を示そう
- 一、全員の共通した“意思”を持ち未来のあるべき“まち”を目指して行動しよう
- 一、一人ひとりが築き上げて行く“まち”の実現を
- 一、「淡路の未来」を育成しよう
- 一、何がなんでも会員拡大